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◆1万6000名ものen-courageの会員の中でも選考実績が良いと思われる学生に、就活について語っていただくインタビュー企画。 第1回目は、メガベンチャーや外資系コンサルなど計8個もの内定をもらった佐藤さん(仮名)。 選考実績の良い学生は企業の何を見ているのか。じっくりと語っていただきました。
企業にエントリーする基準
ー今回はインタビューにご協力くださりありがとうございます。早速ですが、佐藤さんが企業にエントリーする際の基準を教えていただけませんか。
佐藤さん(以下佐藤):就活支援サービスや先輩にすすめられたものと、ググって出たものですね。「成長 新卒 ベンチャー 有名」とかで検索していました(笑)。最初は成長の方向性とかもざっくりしていましたね。
―佐藤さんはなぜ「成長したい」んですか。また、そのざっくりとした成長の方向性にどのくらい具体性が出てきましたか。
佐藤:まず前者に関して言えば、やりたい、というよりも、危機感が大きいからですね。「しなければいけない」というニュアンスの方が近いです。
僕の母親は大手の企業を自主退職、言ってしまえばリストラされています。母がその時にスキルを身につけていたのかでいえば、そうではないように感じました。
僕は多くの企業に会う中で、どこに出ても一人でやっていけるような事業開発力を身に付けたいと思うようになりました。結局のところ、成長できているのかが大事だな、と。そこで一旦、事業責任者になることを目標に決めました。成長するにも、ある程度どの方向性なのかは決めないといけないですから。
ただ、別に成長っていう軸だけで決めてるわけじゃないです。成長っていう軸だと、なぜベンチャーにいくか、くらいしかないですし。
事業責任者というレイヤーに位置するには、企業としての大体の機能を理解している必要があると考えています。だから、結果を出せばすぐ上がれるかどうかはもちろんのこと、横に移りやすいかどうかも大事です。もちろんカルチャーという問題もありますが、そこは人それぞれの好みの問題の話ですから。
―そうした基準・キャリアについての考え方はどのようにして形成されましたか。
佐藤:就活で出会った企業の影響が一番大きいですね。
夏はインターンを20社くらい受けて、10社くらい企業に出会いました。
なんで成長したいかについてすごく深掘りされました。ここの影響が大きいのかなと。
ー就活をして行く中で特に気になった企業はどこでしょうか。
佐藤:人材メガベンチャーのA社ですね。インターンの印象がすごく良くて。フィードバックのレベルが高かったし、メンターの方が理系院生で自分のバックグラウンドと同じで、ロールモデルとして参考になりそうだなと思いました。

辞退しようと考えるとき
ーいままで選考を辞退しようとした時はありますか。もしあったとして、それはどんな瞬間でしたか。
佐藤:これは僕の好みの問題なのですが、お金を追ってる感が前面に出ている会社ですね。ビジョンがないというか、浸透していない会社といいますか。その事業を進めていったさきに、何があるのか?ということを聞いた時に、ビジョンではなく、儲かるからなんです、おっしゃっていました。
これはそういうのが悪い、っていうわけではなくて、自分の好みの問題です。どっちに寄せるか・どの辺に位置したいかっていう話なので。
ーでは、自分の好みに関係なく、純粋に選考を辞退しようと考える時はどんな時ですか。
佐藤:人事の方が、こちらの質問に対してちゃんと答えられてないような印象をもつときですね。これは、僕の好みの問題ではないように思います。
なんでこの事業をやっているのか、競合はどこで、この先どうするのか、あとは可能性とか、そういったことをお伺いした時に、ロジックも何もなく返答がきた時は、一気に受ける気を無くしました。すこし悪い言い方をすると、耳障りの良い言葉を話しているだけに見えました。
あとは詰め方に問題がある時ですね。詰められるのはいいですが、業界の人しか知らないような知識量を盾に来られても、返せなくて当然だし、何がしたいのか正直わからないです。
誤解ないように申し上げておくと、純粋に論理力で詰められるのは好きなんです。むしろ志望度が上がるくらいです。フィードバックのレベルが高いとやはりすごいなと思うので。

就活の際に役立ったもの
ーどのようなものから情報を収集していましたか。
佐藤:情報収集は、就活会員サイトや就活支援団体が多いですね。あとは先輩とか、就活でできた友達です。学校の友達はベンチャー受けていないことが多くて。
あとは人事にも聞きましたね(笑)。インターンのメンターの方に就活何していたのかを聞いていました。
ーそのうちで参考になったものや、特に信用していたものは何でしょうか。
佐藤:インターンのときのメンターさんです。
あとは同じインターン行ってたときにできた友達が言ってた会社です。自分を知ってる人が教えてくれるっていうのが大きいですね。
自分に即したものを言われる、というのが大事です。
逆に、合わないよ、と言われると行かなくなります。
ー少し変な質問になりますが、もし人事の方に就活生としてアドバイスするなら、エントリーしてもらうためにはどうしたらいいと思いますか?
佐藤:難しいですね(笑)。
その会社の色がわかるように広報されていれば行きます。説明会のコンテンツにびっくりするくらいの有名人がくるものがあったのですが、全然興味がなかったのに、今ではその企業に承諾しているので、そういう風に、コンテンツを充実させるのも大事だと思います。
ーでは選考について、「途中で辞退されないために」更に言えば「志望度をあげてもらうために」はどのようにすることが大事だと思いますか。
佐藤:合う合わないは除くと、面接官の人がその会社のなかでどんな成長しているのか、優秀なのか、そういったことが伝わると魅力が伝わるように感じます。当たり前すぎますかね、でもできている企業はそんなにないんじゃないかな、とも思います。
ーでは最後に内定承諾してもらうためにはどうしたらいいと思いますか。
佐藤:これは特に難しいですね。
強いていうなら、内定承諾の権利・ボールがこちら側にあることを伝えられる余裕を持ってくれることですかね。
結局のところ、自分に合った企業でないと承諾しないのはもちろんですし、こう考えるのはかなり不毛だと思うのですが、同じ会社が2社あるとして、最後の決め手になるのはポジショントークを認識してくれていることだと思います。
「意思決定のために、企業から与えられる情報」これが偏っているというのは、いくら学生でも冷静になれば気づくことだと思うんです。
だから、ポジショントークしているのはわかっているけど、こういう風に決める考え方もあるよ、そういう風に、僕たち学生に決めてもらうことを尊重していることが伝わるのかが、僕にとっては大事です。
選考時はボールは企業側にあるので、内定時くらいはこっちにボールがあってもいいんじゃないかと思います(笑)。
ー佐藤さん、長い間インタビューのご協力ありがとうございました!