

![]() |
![]() |
◆北海道大学の大学院で光ファイバーの研究をしている伏見さん。内定先は当初は全く考えていなかったという「ITベンチャー」。さらに、その企業へのインターン参加は始め乗り気ではなかったと言います。彼はどのような就活をして、研究と関係ない業界への就職を決めたのでしょうか。
嫌々始めた就職活動
-伏見さんが就職活動を始めた経緯を教えてください。
伏見さん(以下、伏見):はじめに、僕は学部生時代も就職活動をしていました。
でもその時は、人気企業ランキングとか、年収順とかで選んじゃってて。全然納得した就活ができずに、なんとなく院進学を決めました。
それで、大学院に入ってからは楽に就活したいなと思っていて、研究室の推薦を使って就活しようとしか思ってませんでした。
そんな時、M1の6月に先輩に就活キックオフセミナーに誘われました。全然乗り気ではなかったんですけど、「まあ、誘われたし行ってみるか〜」というのが就職活動の第一歩でした。
そんな中で、このイベントで就活への考え方が変わって。
「自分がしてた就活って間違ってたんだな。」
「研究もあるし意外と早く始めなきゃ。」
と焦ったのを覚えています。
-始めは嫌々始めたんですね(笑) その後、どのように興味が変わって行ったのでしょうか。
伏見:最初は推薦で楽に就活を終わらせようと思っていたものの、研究内容を仕事にしようという強い意志があるわけでもなく、したいことがなくて困りました。
その中で、いくつか軸の仮説を立てて、自分はどんなことがしたいのだろうと考えるようになりました。
例えば「社会問題解決系 or エンタメ系」や「大手 or ベンチャー」など、自分が知りたいと思った軸を考え、それをマトリクスにして、当てはまる企業のインターンに参加していました。
そうやって少しずつ仮説と検証を繰り返して、自分がしていてワクワクすることを見つけていきました。
そうして、今している研究よりもしたいと言えることが見つかっていったのかなと思います。
実際、僕が見ていたのは自分の研究と関係ない業界や職種も多かったです。院に上がったばかりの自分に内定先を言ったら、想定外すぎて驚くと思います(笑)

偶然のチャンスをどれだけ逃さないか
-自分の研究と関係ない企業との接点はあまりないイメージですが、どんな行動をしていましたか?
伏見:正直、僕もそんな偉そうなことは言えなくて、偶然のチャンスを掴んだだけでした。
実際、就職活動を始めたのだって、たまたま先輩に誘われたからでした。
僕が内定承諾をした企業との最初の接点はインターン参加だったんですが、始めは補欠合格で。インターン前日にいきなり、明日参加できないかと言われ参加したんですけど。正直、来てって言われた時は、「研究もあるし、北海道からいきなり東京に行くのは…」とあまり乗り気ではなかったですね(笑)
それでも、せっかくの機会だし行ってみるかと参加したらとても楽しくて、自分への理解が深まり、結果としてその企業に内定をいただけて、承諾するというのは縁を感じますね。
こんな風に、就活って実はどのくらい自分の力で偶然のチャンスを作っていけるか、逃さないかが大事なんじゃないですかね。

-チャンスを逃さないためにしたらいいことはなんでしょうか?
伏見:自分の意識の問題は大きいと思います。
いろんなイベントなどを「あんまり興味がないから」「今週は研究が忙しいから」など目先の理由で敬遠してしまうことって多いと思います。
だけど、そうじゃなくて。
自分のキャリアを変えるかもしれない機会と研究を比較した時ってどっちが大事なんだっけ。少し無理して、頑張ってみるだったり、スケジュール管理をしっかりして研究予定をしっかり組むなど、工夫できることは沢山あると思います。
そして、自分の就活を周りに理解してもらうことも大事だと思います。
教授とかって、結局はインターンなどへの理解が足りないだけだと思うんですよね。
そんなよくわからないものには行くな!研究しとけ!みたいな。
夏に数社、インターンに行った時に、周りの学生が動いていないこともあり、研究室で浮いた存在となってしまっていました。
そこで、研究報告会で毎回「行った理由」「何をしたか」「成果として何がえられたのか」の3点を面白おかしく報告したところ、教授もかなり理解を示してくれて、以前よりは協力的になってもらうことができるようになりました。
このように自分の努力次第で環境って少しずつ変えられるんだと思います。
–最後に、19卒の後輩に向けて何か一言いただけたらと思います!
伏見:視野を広げた就活をしてほしいと思っています。
自分が持っているスキルや研究分野だけでなく、自分がしててワクワクすることってなんだっけ、本当に興味があることってなんだっけって考えてほしいです。
そのために、全然興味がないところでも見てみる。そのまま、興味がないんだったら合ってなかったなと感じればいいし、もし面白いと思えば儲けものだと思います。
周りの機会、人を使って偶然のチャンスですら逃さない。そうやって納得した就活をしてほしいです。