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◆面接などで聞かれることの多い「長所」と「短所」。「長所と強みの違いがわからない…」「PRの仕方がわからない…」そんな就活生の声もよく耳にします。就活における長所とは何か、また長所の伝え方を解説していきます!
面接官が求める「長所」とは
面接官に自己PRとしてよく聞かれる「長所」。自己分析で考えることも多いですよね。よく聞かれるということは、面接官にとって何か意図があるということ。
就活においてただ素直に自分の長所を伝えるというのは、よい自己PRとは言えません。面接官が求めている、すなわち企業が求めている長所が言えるかどうかがポイントになってきます。
例えば、英語が得意でTOICE800点を取っていることを長所とする人がいたとしましょう。
確かにすごいことですし、海外事業を展開していて語学に堪能な人を求めている企業であれば長所と受け取ってくれるかもしれません。
しかし、全く英語を必要としない企業であれば、長所には感じてはもらえません。結果的にアピールにならないまま終わってしまいます。
このように面接では「うちの企業にとって必要な人材であるか」「活躍して会社に貢献してくれるか」を図っています。
必ずしも自分が思う長所が企業が求めている長所に当てはまるというわけではないので注意して下さい。
反対に言えば、うまく長所を伝えられたら良い印象となり、内定にも一歩近づきます。面接官の意図を理解するためにはまず相手を知ることです。
まず重要なのは就活をする上で、相手(=面接官、企業側)が何を求めているのか、という視点を持つことです。
「志望する企業にはどんな能力が必要そうか」
「会社の風土や働き方はどんな感じか」
「活躍している人はどんな人か」
などを把握していきましょう。
また、志望する企業の職種について理解があるとなお良いでしょう。なんとなく職種内容については知っていると思いますが、就活となるとしっかり理解する必要があります。
(その方がよりよい長所が引き出せますし、効率的な就活ができます。)
職種単体で理解するのではなく、その業界ではどんな仕事になるのか、その企業ではどこまでの範囲を任されるのか、志望する業界・企業を絡めて理解していって下さい。
これらは、企業研究や業界研究で理解を深めることができます。
企業のHPである程度は情報は収集できますが、会社説明会やOBOG訪問で生の声を収集するほうがよりリアルな声が聞けます。
なのでぜひ積極的に参加してみて下さい。
「長所」と「強み」の違い
企業、面接官に合わせた長所を伝えることを話してきましたが、相手に合わせすぎて全然自分の長所ではないものを長所として伝えるのは本末転倒です。
嘘はすぐに見抜かれます。面接官は単純にあなたがどんな人なのかも知りたがっていますので、まずは自分の長所は何かを見つけてみましょう。
そのために自己分析を行っていくのですが、長所を探す前に「強み」と「長所」の意味に違いがあることは知っているでしょうか。
就活をしていくと自身の「強み」と「長所」を理解しておかないといけない場面が多々出てきます。
面接時に「あなたの強みを教えて下さい」「あたなの長所を教えて下さい」という質問が同時に出てきた場合、同じ意味だと思って同じ受け答えてしまう就活生がいます。
でもよく考えてみて下さい。わざわざ同じ回答を求めるような質問を面接官はしません。ここを混同してしまうと、ちゃんと自己分析ができてない、質問の意図が解ってないと思われます。
しっかりこの2つの違いを理解しそれぞれの回答を用意しておく必要があります。では、「強み」と「長所」の違いとはなんでしょうか。
- 強み…仕事内容(業務)に直接すぐに活かせる能力
- 長所…仕事内容(業務)において直接の影響はないが、業務を円滑に進める際に役立つ性質
例えば、システムエンジニアを募集している企業の面接という例で考えてみましょう。
ここでの強みは
プログラミングの知識がある、論理的に物事を読み取り組み立てることができる
といったことが仕事ですぐに活かせる能力なので「強み」となります。
一方、長所は
チームで動く組織の場合
皆の意見を聞くことができ、一緒に足並みをそろえてプロジェクトを進める協調性がある
取引先に出向くことが多い場合
課題解決のため社内外の人と積極的なコミュニケーションをとることができるといった、「協調性」や「コミュニケーション力」が仕事を進めていく上で必要な要素となるので「長所」となります。
(極端な例なので、また伝え方については以下で解説していきます)
しっかり自己PRができるよう、この違いを是非覚えておいて下さいね。

「長所」の見つけ方
「長所」と「強み」の違いがわかったら、それも踏まえて自己分析を進めていきましょう。
就活では、自分のことを客観的に見れているかが重要になってきます。「長所がわからない」という就活生は多いですが、誰にでも必ず長所はあります。
しっかり自己分析ができていれば自ずと長所が見えてきますので、わからないという方は自己分析を見直してみて下さい。
「努力家」「リーダーシップがある」「チャレンジ精神がある」など、先に枠だけ決めて考えてしまうと本当の長所は見えきません。ポイントとしては、過去の出来事や経験で、
- 褒められたこと
- 頑張ってきたこと
- 乗り越えてきたこと
なるべく細かく書き出してみて下さい。合わせて、
- 大変だったこと
- 苦痛に感じたこと
- うまくいかなかったこと
も書き出してみましょう。長所と短所を同時に探り、可視化していくことでより明確になるはずです。
うまく見つからないときは、先生や友達、親など、他者に意見を求めてみるのも一つの手です。
自分では気づかなかった新たな長所を知ることができるかも知れません。
エピソードを書き出してみたら、今度は
- なぜそう思ったのか
- なぜそういった行動を取ったのか
を考えてみましょう。この「なぜ」があなたの「長所」もしくは「短所」となる部分になります。
この部分が分かってきたら、志望している企業に合わせて枠に当てはめていきましょう。
面接で伝える際の注意点
自分の長所が分かってきたら、今度は「どうやったら伝わるか」を考えてみて下さい。せっかく自己PRできる点が見つかっても相手にうまく伝わらなかったら意味がありません。
長所を伝える上で何点か注意点がありますので一緒に確認していきましょう。
◆ボヤッとした抽象的な長所になっている
就活生の中でやってしまいがちなのが、「私は、目標に向かって努力することができます。どんな困難なことがあっても決して諦めずコツコツと努力し続けることができます」
というような、応え方です。
これだと、「そもそも、仕事なんだから努力してもらうのは大前提なんだけど…」と思われて終わってしまいます。
面接官は連日数多くの就活生の面接を行っています。他の就活生とは違う、あなたらしさを伝えないと印象にも残りません。
一番最初でもお伝えましたが、「相手が何を求めているのか」「相手がどう感じるのか」という視点で伝え方も考えていって下さい。
初めて会う人に、しかも限られた時間内で自分のことを知ってもらうためには、イメージしやすいような伝え方をしなければなりません。
ただ長所を一言で伝えるのではなく、その根拠となるエピソードを交えて話しましょう。
◆長所を詰め込みすぎる
いいところをたくさん伝えたいのは山々ですが、1つの会話に複数の長所を入れてしまうと結局何が言いたいのかが分からなくなってしまいます。
「私は周りの和を乱さない協調性や柔軟性があり、先輩後輩ともに分け隔てなくコミュニケーションを取れることが長所です」といったような話し方は、全体的に長所が浅く、本当に全部長所なのか疑問に感じます。
面接官からしてみると「自分のことが客観的に見れてないな」とも思われてしまでしょう。長所は1つに絞って下さい。
複数ある場合は、一緒にまとめないでそれぞれの長所一つひとつ単体で考えましょう。
◆長所なのに自信がなさそうに喋る
面接時に、自己PRをする場なのに声が小さく、表情も険しい。面接は緊張しますが、表情や声が小さいだけで印象は悪くなってしまいます。
せっかく長所をPRにしても、残念ながら「本当にこの人の長所なのかな?」と思われてしまい、その良さは伝わらないでしょう。
ここでもまた企業側の立場になって考えてみて下さい。一緒に働くのなら、誰でもハキハキして明るい笑顔の子の方がいいですね。
どうしても緊張してしまうという方は、学校や就活が終わった先輩に面接の練習をお願いし、本番に備えましょう。
表情などの印象は改善できますので、そこで落とされてしまったという勿体ないことがないようにしてくださいね。

長所が伝わる例文
「私の長所はコツコツと努力することができることです。すぐに結果がでなくても諦めず努力し続ける事ができます。
大学では一人暮らしをしていたので生活費を稼ぐためにテレフォンアポインターのアルバイトをしておりました。
アルバイト自体が初めてで、最初の1ヶ月程は全くアポイントを取ることができませんでした。
そこで、社内で1番アポイントが取れている人に電話のしかたを教わり、オリジナルのトークスクリプトを作成、また自分の声を録音し、相手にとって聞き取りやすい発音、声色をしているか仕事終わりに毎回チェックしてトークの改善を図りました。
加えて1時間にかける電話の件数を今までの1.5倍に増やし、数多くかけることも意識しました。
以上3点を行ったことによって、1日のアポイントの獲得件数が平均5件取れるようになり、社内でアポイント獲得率1位で表彰もされるようにまでなりました。
現在は、アルバイトリーダーとして3人のメンバーの指導もしています。初めてのことでも、決して恐れず努力することができます。」
いかがでしょうか。
「どこをどうがんばったのか」を具体的に入れることでグッとイメージがしやすくなり、あなただけにしかない長所を伝えることができます。
また、具体的な数値を入れることも効果的です。努力してきたエピソードが過去の出来事で終わってしまっているのではなく、努力した結果現状どうなっているのかまで合わせて伝えられればより信憑性が高くよい印象を残すことができるでしょう。
そこまでしっかり自己PRをしてください。
- 結論から話す
- 具体的なエピソード、体験談を入れる
- 具体的なエピソード、体験談からどう成長したか、どう克服したか結果を伝える
- 乗り越えてきたことでどう変化したか現状を伝える
この伝え方は、エントリーシートや履歴書の書き方に応用できるかと思いますので、ぜひ伝え方をマスターして下さい。
何度も伝えしてきましたが、長所を伝えるときは企業・面接官の立場になって考えることがキーポイントとなってきます。
「長所」は自己PRができる質問です。ぜひあなたの良さが伝わり、よい就活に繋がるよう、対策を行っていって下さいね。