理系学生必見。人事が理系学生に期待すること。

 

今日も今日とて実験に明け暮れている理系学生のみなさんこんにちは! 理系学生が大学院に行かず、就活するという選択をするのって勇気が必要ですよね。周りからは異端児として見られ、インターンに行くと言おうもんなら「うわ、意識高っ」と揶揄されることもしばしば。しかし、安心してください。みなさんが思っているよりも、会社は「文系就職する理系人材」を求めています。 筆者は、一ヶ月ほど採用コンサルの会社で理系人材を採用したいクライアントと、理系人材を採用するための戦略プランを考えていたりしました。なぜ理系学生が欲しいのか。どんなイメージを抱いているのか。どんなことを期待しているのか。そんなことを人事さんとディスカッションする中で、いくつかの気付きあったので、紹介していきたいと思います。

理系に対する3つの良いイメージ

人事の方と一緒に話し合う中で感じた「理系に対する良いイメージ」は大きく分けて3つあります。

  数字感覚が強い②仮説検証の考えが自然と出来る③勤勉である

ひとつひとつ説明していきましょう。1つ目の数字感覚の部分。電卓もパソコンもある今、数字感覚や計算能力はいらないと思っていませんか。決してそんな事はありません。人と数字を追いながら議論するとき、電卓を使う時間なんてありませんよね。

このターゲット層は日本人口の1%の120万人いて、そのうちの5%が500円を払ってこのサービスを使ってくれるとしたら、利益はいくらくらいだろう。利益率は10%〜15%と仮定すると…といった計算をするときに、普段から数字を扱っている理系の方がスピーディーに議論を回せるのは自明でしょう。

次に2つ目の「仮説検証の考えが自然と出来る」の部分。

理系の研究はほぼ仮説検証の繰り返しです。例えば、実験で理論通りの結果が出ない場合。この時僕たちは理論通りにいかない原因を追求します。実験の全フローを見直し、前提条件と見比べ、どこに失敗の原因があるのか探し出して、改善して、もう一度実行する。この一連の流れが自然とできるようになっているのが理系学生の強みと言えます。よくPDCAサイクルと言われているものですね。複雑な変数が絡み合う課題をMECEに分解し課題を発見することを常日頃からしてるからこそ自然に身に付いているスキルといえます。

3つ目に勤勉であること。これはあまり説明せずとも伝わるのではないでしょうか。理系の平均勉強時間は文系の1.7倍であると言われています。(第48回学生生活実態調査概要報告より引用)普段から勉強に時間を投資する事に慣れている理系学生は会社に入ってからも貪欲に知識を吸収し、活躍することを期待されているようです。

 

コミュニケーション能力があれば高評価に。

それでは逆に、人事が理系人材に対して感じている懸念はどのようなものでしょうか。

筆者が就活生として、またコンサルタントとして痛感したのが「コミュニケーション能力不足」です。人事の方にも「理系=オタク気質で暗い、おとなしい」というイメージが定着してしまっているし、実際にそのような人が多いように感じます。

特にチームで議論する際のコミュニケーションが苦手な学生さんが多かった印象あります。実際に会社で自分ひとりだけで物事を考えることは少ないですし、チームでディスカッションしたり、クライアントさんと対話したりする機会も多いですから、チームで話をうまくするということが大事なのではないでしょうか。

実際に選考などで、人事の方が抱いているであろう「理系=オタク気質で暗い、おとなしい」というイメージを覆すには、GDでは「人の意見を否定するときも根拠をきちんと話し相手への配慮を忘れない」面接では「いつもより気持ち大きめの声で笑顔で話す」「質問に対し的外れな回答をしない」ことを意識することで、気持ちのいいコミュニケーションがとれることとをアピールするとよいでしょう。                                                                        

求められる人物像とは。

ここまで、人事からみた理系学生の良いイメージ、良くないイメージについて話しましたが、総合的に見てこれからの時代「文系就職する理系人材」は重宝されると言えると筆者は考えています。

人の市場価値がどんな変数で決まるかについてはいろんな議論がありますが、筆者はとある人から聞いた「市場価値は希少性×社会からのニーズ×完成度で決まる」という考え方はしっくり来ています。

この方程式に照らし合わせていうと、理系脳でありながら文系職の企画部分等を考えることができる人材は希少性と社会からのニーズが高いと考えられます。これから全ての産業でIT化が進んでいく中で、理系で養った数字感覚や論理的思考力、テクノロジーへの親和性は文系職に就職するとしても大いに役立つでしょう。

これから市場価値が高まるのは、総合職の人に作れといわれたモノをただ作るだけのエンジニアでも机上の空論を描きものづくりの部分は全て技術職に丸投げする総合職でもないと思います。エンジニアの話す言葉を理解し、対話しながら実現可能性と社会へのインパクトをひたすら追う事が出来る総合職こそが真に求められているのではないでしょうか。