「ソシャゲ」を作ってる会社の環境が良いワケ。

 

『パズドラ』『黒猫のウィズ』など大ヒットを記録したソーシャルゲーム(ソシャゲ)は数多くありますよね。 IT系ベンチャーで増えつつあるソーシャルゲーム関連の会社ですが、「人の時間を奪ってしまうようなゲームを作っている会社には行きたくない」と、避ける就活生が多いのも事実です。 筆者もそんな就活生の一人でしたが、エンカレッジでの活動を通して多くの企業様と触れるうちに、先入観だけで企業を判断してしまうことのもったいなさを痛感するようになりました。 そこで今回は、イメージだけでは知りえないゲームに関連する会社のアツい点をお伝えさせていただきます。

ベンチャー企業の中でもPDCAを回すスパンが短い

就活をし始めると、PDCAサイクルという言葉はよく耳にしますよね。

“Plan(計画する)→Do(実行する)→Check(検証する)→Action(改善する)”

の頭文字をとったもので、事業活動のサイクルを表したものです。

このサイクルを回すことが仕事の基本であり、このサイクルを回す経験が多ければ多いほど仕事のスキルも早期に向上すると考えて差し支えないでしょう。

一般的にベンチャー企業が対峙するマーケットは変化が激しいため、このPDCAサイクルを高速で回すことが求められます。

そのマーケットの中でも特に変化が激しいものが“ソーシャルゲームの市場”です。

ソーシャルゲームは無料コンテンツでユーザーに導入を促し、その後、ゲーム内アイテムなどへの課金で採算をとるという仕組みをとっています。

そのため、いち早くユーザーの志向性や満足度がどうすれば向上するのかという仮説を立て、試作実行、検証、改善のPDCAを回さなければ、多くのユーザーが無料コンテンツで満足してしまい、マネタイズに必要な有料コンテンツへの課金に移行する前にゲームから離れてしまうのです。

ソーシャルゲームは最初の3か月が勝負といわれており、その間にユーザーへの定着を図るための試行錯誤の回数とそのスピードを極限まで早める必要があります。

また、スマホ向けソーシャルゲーム市場は日本人のスマホ保有率の上昇にともない拡大傾向にあるだけでなく、海外でも急速に伸びてきています。

こういった市場関係もあり、参入するプレーヤーも増加傾向にあるので競争は熾烈です。そのため、自社のユニークセリングポイントを徹底的に思考し、マーケットに適応していくことが求められる環境下で経験を積むことができます。このような経験は、自分の市場価値を高める上でも非常に有益と言えるでしょう。

ゲーム事業を軸に成長し、多角化し始めた会社が狙い目

みなさんは『DeNA』という企業をご存知でしょうか。経営者として有名な南場智子さんが率いるメガベンチャーの代表格であり、現在は医療分野、旅行仲介分野、球団経営など様々な分野に進出を見せる、今アツい企業の一つです。

このDeNAが基軸に置いている事業が『モバゲー』を中心としたソーシャルゲーム事業です。

ここ数年の間でDeNAのプレゼンスは飛躍的に向上しましたが、この躍進はソーシャルゲーム事業において安定的な収益を確保できるようになったことが大きな要因であると考えられます。

新規事業を打ち出すとなったときに大事になるのが、会社の資金(アセット)が十分にあるかどうかということ。新規事業は10発撃って1発当たるかどうかという非常にシビアな世界であり、ローンチと同時に爆発的ヒットするのではなく、数年間の必要投資期間を経た後にヒットしたものも多くあります。

そのため、会社に新規事業の失敗や、必要投資期間を許容できるだけの財務体力があるかどうかは極めて重要な観点となってくるのです。

こういった視点から、「新規事業の立ち上げに携わりたい」と思っている方は、その会社がゲームに限らず安定的な収益を上げることができる“コア事業”を持ち得ているかを一つの分析指標として考えるべきでしょう。

また、この基軸事業をゲーム事業として持っている会社に蓄積された、“PDCAサイクルを高速で回す”事業ノウハウは非常に汎用性が高いものなので、どの分野に対して多角化の舵をきった場合においてもそのナレッジを還元することができると考えられます。

最近では、ゲーム事業を基軸に持つコロプラが今後爆発的な伸びが期待されるVR(ヴァーチャルリアリティ)市場への本格参入を発表し、60億円規模の世界最大級のファンドを設立しました。

同様にゲーム事業を基軸に持つGREEも住まい関連市場、ヘルスケア市場への参入の動きを強めています。この中から「第2のDeNA」が誕生する日も近いかもしれません。このように、イメージだけで判断するともったいない要素が“ソシャゲを作っている会社”にはあります。

現在、DeNAの執行役員を務められている川崎修平さんは、多角化に乗り出し始めたころのDeNAに新卒入社されて、わずか5年で執行役員を務められるに至っています。

もちろん皆が皆、川崎さんのように執行役員になれるわけではありませんが、事業の多角化を行う第二創業期の会社に入社することは多くの活躍の場が用意されており、上に上りつめるチャンスも十分にある環境と言えるでしょう。

これを機に食わず嫌いをせず、ゲームを作っている会社にも目を向けてみてくださいね。