学生時代頑張ったことは普通で良い。選考突破のコツ。(例題あり)

 

就活シーンのESや面接で必須項目ともいえる「学生時代頑張ったこと」。いざ書き始めてみると、サークル、バイト、ゼミ、と誰でも経験しているような「普通の」エピソードしか持っていないことに焦りを感じた方も多いのではないでしょうか。そこで今回は「テニスサークルの副代表、バイトは塾講師、ゼミで共同論文執筆」と普通のエピソードしか持ち合わせていなかった筆者自身の経験も踏まえつつ、普通の経験しかない学生でも選考に突破するために工夫すべき点をまとめてみました。

学生時代頑張ったこと普通問題

 

実際、ESなどの就活シーンでは「学生時代頑張ったこと」としてサークル・バイト・ゼミは本当に多くの学生が題材にします。例えば5人1組の集団面接の際には2人がサークルの代表、2人が塾講師、1人がゼミ活動、というように上記3つのテーマだけで1組が構成されていたなんてこともありました。面接を受け始めると、本当にサークルの代表や塾講師は日本にたくさんいるんだと実感します。

企業の面接官やESを見る選考官も1日に数10人~数100人の学生を面接するので、「あぁ。またテニスサークルの代表の話ね」となってしまうと、面接官に残る印象は薄くなりがちです。

ただ、結論、学生時代頑張ったことなんて、皆、普通です。

それどころか、バイトの話をしていた学生が、インターハイ出場経験を持つ学生よりも魅力的に映ることなんて、少ないことではありません。

では、なぜ彼らは、普通の学生時代頑張ったことの話で選考に合格をしたり、内定を取れるのか。

そこには、同じエピソードだったとしても、就活の場で話すべき魅力の差が生まれているのからなのです。

では、企業の面接官やESを見る選考官は一体、何を見ているのか。

まずは、その観点から、学生時代頑張ったことで話すべき魅力を見ていきましょう。

 

 

普通の経験だけで勝負する方法

「論理的な文章か、話し方か」

まず、最初に挙げられるのは、論理的でわかりやすい話であるかどうかを就活シーンでは企業からチェックされています。

意図的に企業の選考官が論理整合性を確認していなくとも、ここが抜け落ちてしまうと、そもそも面接では話が頭に入ってこず、ESでは見てもらえない、という現象が発生します。

端的に論理的な話にするには、フレームワークを使用することをお勧めします。

様々なフレームワークがあるかと思いますが、今回は、PREP法というものを紹介します。

PREP法とは、Point(主張)、Reason(理由)、Example(例、具体)、Point(結論)の頭文字を取った文法です。

これを使用すれば、相手に伝えたいメッセージ、魅力が強く強調されて伝わるというものです。

仮にバイトを学生時代頑張ったこととして、ESの例文を作ってみます。

私が学生時代頑張ったことはバイトのサービス改善業務です。(主張)

当時、これは私でしかできない業務だと感じたため、精一杯取り組みました。(理由)

飲食店のバイトだったのですが、私のサービスの至らなさでお客様にひどく怒られた経験があったのですが、先輩は励ましのつもりだった「仕方ないよ」の言葉が気になり、なぜサービス改善に向けて、皆で再発防止をしようとしないだろうと感じ、これは私の使命だと思い、閉店後、サービス改善マニュアルの開発と店舗全体の研修を自発的に行いました。(例、具体)

そのため、私が頑張ったことは私しかできなかったサービス改善業務です。(結論)

いかがでしょうか。

ただのバイトが非常に魅力的に見えませんか?

このように話すべきポイントを抑えて、順に整理しながら話すと魅力が強調して伝わるようになるのです。

ここでのポイントは、ESや面接時に伝えたい魅力を間違えないことです。

確かに学生時代頑張ったことは、「バイト」なのですが、ここでの主題は「サービス改善業務」となります。

一見、質問の性質からして、回答を「経験の名称」である「バイト」「スポーツ」と捉えてしまいがちなのですが、本質的な魅力は経験ではなく、経験から得られた成長や気づきである「サービス改善業務」と置き換えています。

主題や主張を決めて、その理由、そして具体のエピソード、そして繰り返しの結論、この順番で学生時代頑張ったことを話すだけでも、非常に魅力的に映るはずです。

「差別化して印象づける」

次に必要なのが、学生時代頑張ったことの印象を就活のシーンにおいてどう印象に残してもらうかです。

企業は、下手をすると数百のES、1日に数十の面接を行います。

つまり、在り来たりなエピソードだと、企業側の頭の中に印象としては残らず、忘却の彼方へと追いやられます。

そうならないように、印象的なエピソードの作り方を挙げていきます。

情報を一段階具体的にする

「全国1位になりました」「学生団体を立ち上げました」などの、目を引くような実績がなくても面接官やESの印象に残るようにする1つの方法が、前提・着眼点・解決策の具体化による差別化です。

例えば、塾講師のエピソードの場合

・個別指導の塾講師をしていた。(前提)

・生徒に宿題を出しても、やってこないことや生徒との距離感が問題だと感じた(課題)

・生徒に応じた宿題の出し方を考えたり、生徒との距離を縮めるために、授業以外の時間にプライベートな会話をしたりして自分に懐いてもらうようにした(解決策)

このパターンのES・面接は、嫌というほど目にしてきました。筆者も塾講師をしているのでわかるのですが、生徒にオーダーメイドの宿題を与えることや生徒との距離を縮めるのは塾講師として当たり前のことです。塾講師をやっている人間であれば、誰もが気づくようなことを述べても「あなたらしさ」など出るはずがありませんよね。

そこで、以下のように修正してみるとどうでしょうか。

・勤めていた塾は学校の成績が下位30%の子が通う「駆け込み寺」のような塾だった(前提の具体化)

・生徒の成績が伸びない問題点として、宿題をやってこない等の演習量の不足や教師との距離感が原因で生徒が指導を受け入れないということが挙げられたが、そもそも

①学習の方法がわかっていない

②学習の計画が立てられない

の2点が演習量における根本的な課題だと考えた。さらに、生徒との距離感も「先生は自分たちの何が問題なのかを本当に理解してくれていない」という不信感からくるものだと考えた。(課題の深堀による着眼点の具体化)

①ただ「○○の問題集をやればいい」というのではなく、ノートのまとめ方からその問題集で間違えたところを可視化するためのチェックの付け方など、「自分にとっては当たり前でも生徒にとっては当たり前ではない部分」を意識してアドバイスを行った。

②1週間分の宿題という形で出すのではなく、1週間のうち「1日何をどれだけやるのか」ということを記したスケジュール表を用いて宿題を出し、毎日の継続的な学習を促すようにした。(解決策の具体化)

というようにそれぞれの情報を一段階具体的にするだけでも随分と印象が変わります。非常に観察力と分析力に長けていて、打ち手を仕立てる力を持っていることも伝わるのではないでしょうか。「普通の」エピソードで選考に臨まれる方は改めて情報を一段階掘り下げることを意識してみてください。

「大学時代の経験だけで勝負しない」

企業との面接時の自己PRでは、大学時代のエピソードだけでアピールしないという方法もあります。1次面接など、1人あたりの持ち時間が少ない集団面接では使いにくいですが、個人面接で30分以上時間を与えられている場合は有効な方法です。

そもそも学生時代の経験は自分をアピールするための1つの道具でしかありません。ですから何も大学時代の経験のみで自分を見せようとする必要性は全くありません。

大学時代の経験があまり厚みのあるものではないなと感じているなら、自分の他の過去体験に面接官を誘導することで、自分を深掘ってもらえばよいのです。

例えば、大学時代の経験を話す際には

「実はテニスサークルの活動なのですが、高校のときの経験があって大学でもテニスを続けようと思ったんですよね・・・」

というように面接官が聞いてみたいと思うような「フック」を話の中に織り交ぜてみましょう。こうすることで面接官は「高校時代の経験も聞かせて」というように質問をしてくれます。

これは、「最終的に自分の〇〇という部分を面接では伝えきる」というゴールを自分で持っておくことが前提になります。そのゴールに到達するためには、どのエピソードを聞いてもらえると良いのかという順序を考えておくとよいでしょう。

筆者は、自分の中での面接のゴール像と、それに至るまでの過程をある程度イメージして面接に臨むようにしたところ、ほとんどの選考において最終面接までは落ちなくなりました。

 

 

普通の経験:ES具体例

ここからは、今までの観点を踏まえた、よくある経験を魅力的に変換をしたESの例題を挙げていきます。
よくある経験としては、サークル、部活、長期インターン、留学、旅行、学祭実行委員を例題とさせていただきます。

【 サークル 】
私が学生時代頑張ったことは、サークル長を勤め、サークル規模を2倍にしたことです。

私が所属していたのはテニスを行う在り来たりのサークルだったのですが、新入生歓迎会の際に、PRの方向性を間違い、テニス経験者が少なく、このままででは大会に出続けることができない状態に陥りました。

現状の打開をすべく、サークル長になったタイミングで、ヘッドハンティングを行うために相手を毎度変更しながら、他サークルとの合同練習会を週次で行うようにしました。
他サークルとの合同練習会の際も、別の機会に参加していた方々にお声がけを地道にしていると、いつしか、ハイレベルな練習ができる場として定着をしていきました。

結果、その場が経験者には心地よく、ヘッドハンティングに成功をし、規模を2倍にすることができました。(348文字)

【 部活 】
私が学生時代頑張ったことは、トライアスロン部で県大会3位になったことです。

私は高校時代まで、スポーツ経験の一切ない、いわゆる文化系の学生でした。
そのため、大学では自らに変革を起こすべく、トライアスロン部に所属しました。

当然、部活では、実力は底辺スタートでしたが、その悔しさをバネに、部活以外の時間で毎日20kmのランニングを行い基礎体力を伸ばしました。
ですが、当初は部活内ですら、最下位の成績でした。
それでもいつかは勝ちたいという思いを胸に、ランニングの自主練は継続しました。

それまで一度も好成績を収めたことはなかったのですが、最後の引退試合、
自主練のおかげか、力を振り絞ることで、県大会3位の成績を収めることができました。(323文字)

【 長期インターン 】
私が学生時代頑張ったことは、長期インターン先の企業でテレアポ業務を行ったことです。

私はアガリ症で、人前で話すことを大の苦手として生きてきたのですが、このテレアポ業務で克服することができました。

その長期インターンで所属していた企業はBtoBの事業モデルで、対企業に対する電話架けを行っておりました。
最初は、どうしても言葉につまり、上司に毎度怒られる始末でしたが、ふと視点を変えて、相手は断られても対して覚えていない些細なことだと気づいた時に、成果が上がり始めました。
この視点を変える成功体験を得た私は、相手の心理を視点を変えながら試すことで読み解くことができるようになりました。

結果、その企業の社内でNO.1アポ獲得件数を達成し、表彰されるまでになりました。(336文字)

【 留学 】
私が学生時代頑張ったことは、留学経験で得た習慣の継続です。

私が留学経験で得たものは、異文化理解です。
そのため、日本に帰国してからも人の価値観を考え、適切なコミュニケーションを取ることを継続しようと考えました。

日本は無宗教と呼ばれ、文化も近い人が多いのですが、それぞれ価値観は違います。
そこに興味を持ち、出会った人がどんな人物像で、どういう思想を描き、どういう背景があったのかを話し、それを価値観ノートに書き留める活動をしています。

留学時から含めて、現在は2000名を超える価値観ノートが溜まっています。(261文字)

【 ゼミ 】
私が学生時代頑張ったことは、ゼミ活動でのフィールドワークです。

行政政策のゼミに所属しており、地方創生の分野から、福井県のある町に政策の策定のためのフィールドワークを行いました。
ここである大きな気づきを得られました。

フィールドワークの初日では、町内の方々をお招きし、ゼミで建てた政策プランの仮説発表を行いました。
そこで町内の方々から、「そんな政策は住民を苦しめるだけだよ」と素直に指摘をもらったことが私の中で大きな衝撃でした。
その翌日以降は、住民の方々への訪問ヒアリングを行う機会をもらい、住民にとって本当の幸せとは何なのかを追求するための情報収集を行いました。
気づくと、2日間で予定になかったものも含めると50軒のお宅に訪問しておりました。

最終日、再度政策の発表の際に、「よく住民のことを理解してくれている」と喜んでいただけたのが私にとって貴重な経験となりました。(393文字)

【 旅行 】
私が学生時代頑張ったことは、旅行の企画を誰よりも行ったことです。

私は学生時代に月1回の旅行を必ず計画していました。

旅行を企画する時には、まずメンバーのアサインから始まります。
気の合う仲間だったり、新たに仲間になるメンバーだったり、その時の目的を設定して、手段として旅行を提供します。
中でも一番成功したと思う体験は、元恋人通しの仲直りのための企画でした。
彼らが気まずくならないように、8名と少し多めのグループを作り、熱海の温泉街への旅行を企画しました。
非日常感の中で、夜に私が「人生の反省会」というコンテンツを仕掛け、それがきっかけで仲直りに成功させることができました。

このような企画をすることが好きで、私は多くの旅行を企画しています。(328文字)

【 学祭実行委員会】
私の学生時代頑張ったことは、学祭実行委員として学祭を成功させたことです。

私は特別、幹部などではなかったのですが、ある事件の解決の当事者として頑張りました。

その事件は、学祭2ヶ月前に起きた内部分裂です。
実行委員長と副実行委員長の仲が悪く、役割を棲み分けし、それぞれの下に組織がつくという形式に内部分裂が起きてしまいました。
直感的にこの事態はまずいと思い、実行委員長と副実行委員長に、なぜ私たちがこの学祭を成功させないといけないのかの議論から始めることにしました。

そこから学祭のコンセプトが生まれ、組織としてのビジョンが生まれ組織の統一に成功し、無事に学祭を終えることができました。(314文字)

いかがでしょうか。

ESを書く時、面接時の回答の際に、ぜひお役に立てれば幸いです。