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◆自己分析は就活においてほぼ全員が経験するもの。ただ自己分析をどんな方法で進めるのか、よく分からない人も多いはず。そんな自己分析の方法について悩んでいる就活生必見のインタビューです。
【方法を模索】とにかく、自己分析を繰り返した就活生時代
–今日はよろしくお願いします。安藤さんの就活についてお伺いしたいのですが、まずはどこに就職するのか教えていただけますか?
安藤:ベンチャー企業に就職します。マーケティングに関わる領域でビジネスをしているところで新規事業にも積極的なところですね。
ファーストキャリアとしては新規事業部への配属を希望しています。自分自身、大学生時代に事業を創ったりしたのですが、もう少し大きな規模の事業に触れたいと思ったので。それが経験できるような企業を選択しました。
–自分で事業創造をした経験もあるのですね。就活生の時には、どんな就活生だったかを教えてください。ずっとベンチャー企業志望だったのですか?
安藤:いや、最初は普通によく言われているような、就職偏差値的なものを気にしていましたね。外資系企業とか、難関と言われる企業を中心に見ていました。
就活が少しずつ進み、自分がこれからの人生で大切にしたいものが見えてくる中で、ベンチャー中心になっていったという感覚ですね。一般的にいう、自己分析を経て、です。
–早速、自己分析でてきましたね。(笑)自己分析はいつくらいから始めたのでしょう?
安藤:自己分析は徹底的にやったのですが、実は本気で自己分析をやりはじめたのは結構遅いです。
就活の初期には自己分析を少し甘く考えていて。外資系のコンサルティングファームを見ていたこともあり、ケース面接の対策や、フェルミ推定など小手先のテクニックを重視する学生でしたね。(笑)あ、対策されている方がいたら、ごめんなさい…。
–就活生、もしくはまだ2年生の方も読んでいるのでたくさんいると思います。(笑)少し外れた話になりそうなのですが、興味があるので教えてください。やっぱり、ケースとか、フェルミ推定の対策は小手先なのでしょうか?
安藤:あくまで自分の感覚ですが、小手先だと思いますね。外資系の難関企業に就職するには、地頭が重要と言われているのが背景にありそうですね。
ケース面接の対策などをする人は、地頭についての捉え方を誤解している可能性が高い気がします。
結局、本に載っているようなことを丸覚えしたからといって地頭が良くなる訳ではなくて、そのもっと根本にあることを理解して、実際にアウトプットする、さらには振り返りをしないと結局は定着しないと思うので。
これは大学生がこれまでやってきた学習のサイクルと近いように見えて、実は遠いと思います。というか一部の人しかやっていないと思う。
–なるほど、確かに大学受験のときにいろんな学問の根本的なところまで理解していた人は少なそうですね。
安藤:般的に偏差値が高いと言われる学生ほど何かを読んで、傾向と対策みたいなものをおさえておけばいいと考えがちだと思いますね。ただそのような人って基本的には理解が浅くて、応用的なものに対応できないことが多い気がします。
ビジネスでは応用的なことばかりなので、そのような人はあまり活躍できないように思います。実際に長期間のインターンなどでは、成果と学歴は全く関係ないなと感じることも多かったので。
–確かに、そうゆう学生は一定数いますよね。自己分析について少し詳しく聞いていきたいのですが、安藤さんは、自己分析をどのような方法でやっていたのですか。
安藤:自己分析の方法自体はあまり特殊ではないと思いますね。一言で表すと、自分の経験を振り返っていただけ。(笑)でも自己分析ってそうゆうものですよね?
–はい、そうですね。全く特殊な方法ではないですね。(笑)ただそれだと、あまり参考にならないので、自己分析をする際に意識していたポイントを教えてください。
安藤:自分の場合には経験を振り返るときの方法や、自己分析の中でも重点を置いた箇所が多くの就活生とは違っているかもしれませんね。
企業で採用を担当している方が何を知りたいのか。どんなことを知れたらいいのか。
採用担当の方や、お会いする社員の方から気に入られようとは思っていなかったのですが、採用担当の方は少なくとも、自分のことを判断しないといけないなと思ったので。
どんな情報があれば判断できるのかを意識して自己分析を行なっていましたね。

【 就活と自己分析の関係性 】就活において企業は何を見ているのか?
–確かにそうですね。具体的にはどんな情報があれば判断できると思っていましたか?
安藤:就活において、企業の方が見ていることはシンプルだと思います。
『どんな風に活躍するのか。』
『どれくらい活躍するのか。』
これに尽きると思います。自己分析を通して、これが明確になっていて、企業の採用担当の方に伝われば、企業は採用したいと思うのではないでしょうか。
逆に落ちた場合には、これが伝わりきっていない。ただ企業における活躍のベースには本人の素質だけではなくて、企業文化との相性もあるはずなので、そのあたりは見極めが必要ですが…。
とにかく、『どんな風に活躍するのか。』、『どれくらい活躍するのか。』この2つをしっかりと伝えるために、自己分析が必要だなと思っていました。
–だとすると、改めて自己分析するのが必要ではない人もいそうですね。
安藤:そうですね。一般的に語られるような自己分析が不要な人もいると思います。
例えば、部活や研究での経験を振り返っているとか。その時の経験で特に成果に直結していることを、きちんと自分の中での構造化や、理由づけをしている気がしますね。それが就活のときにする、自己分析だと思うので。
【長所よりも短所の方が大切?】自己分析の方法で気をつけた方がよいこと
-自己分析をしていくと、結構いろいろ見えてくると思うのですが、何か気をつけることはありますか?
安藤:モチベーショングラフ的なものを書いていくと、自分が何にモチベーションを感じるかが分かる的なことを良く聞くと思いますが、あまり使えないと思います。
直接的にモチベーションが上がることやものが分かることが、あまり仕事とは関係のない気がして。モチベーショングラフから見えてきたことが直接つながっている仕事を選択するという意思決定をしている学生が多いと思いますが…。
-一般的にはそうゆう使い方をしていますよね。
安藤:そのような学生には、仕事ってモチベーションでするものではないという前提が抜けているように思いますね。
まだ働いたことがないので、こんなことを言うのは結構生意気かなと思いますが、会社から貰う給料は成果に対する対価だと思っています。
だとしたら、モチベーションが上がること以外でも成果を出せないとまずくないですか?と思います。大学入試の構造と同じだと思います。いい大学に行くためには嫌いな数学もやらないといけないとか。
-大学受験。確かにそうですね。では、何を引き出すのが良いのでしょうか?
安藤:あくまでも個人的な意見なのですが、失敗した経験の振り返りと、成功した経験の振り返りにフォーカスは絞っていいと思います。これは自己分析を行う就活生はほとんどやりますよね。
-そうですね。ただそこからが違うって感じでしょうか?
安藤:少し違う方法でやっていました。
具体的には失敗した経験、特に短所が明確になったような経験。あとは成功した経験、こっちは長所が明確になった経験について、そのときの要因を徹底的に振り返ること。そこから今後、お金をもらって働くプロフェッショナルとして使えるような何かを引き出せているかどうか。それを徹底的に考えましたね。
この時に自分だけで振り返りをするのではなくて、大学の同期や、起業している人や一流企業と言われている企業で働いている人など社会で活躍する人に話していましたね。
-長所と短所についてはそれぞれ同じくらい比重で考えていましたか?
安藤:いや、短所の方をよく考えるようにしていましたね。
短所は自分が何か失敗したときに気づくものだと思うのですが、その失敗した経験からの振り返りが重要だと思っています。
短所は自分自身の問題点なのでそれをしっかりと振り返られることが、ビジネスの基礎にもつながるかなと思ったので。
新卒で企業に入ると、特に自分が就職するようなベンチャー企業と言われるところでは、伝統的な日系大手企業と比べると、自分で考えて、アクションをすることが多いはずので、発生している問題について原因の見極めや、振り返りは絶対に必要になると思います。

【 経験から引き出す 】自己分析の基本となる考え方
-自己分析で基本となる考え方は何だと思いますか?
安藤:自己分析の基本ですか。なかなか難しい質問ですね。(笑)
基本と呼べるものかどうか分からないですが、まずは自分の経験を整理することになると思います。
経験自体は、人生のどの部分から整理してもいいと思います。生まれたところからやるのもいいですし、小学校から始めるのでもいい。
ポイントは良いところも悪いところも両面が詰まっていることです。良いところの振り返りは、活躍イメージに直接結びつくので丁寧にやると思うのですが、悪いところを丁寧にやる人は少ないと思います。
-なるほど。最後に、これから就活をする就活生の皆さんにメッセージをお願いします!
安藤:自己分析に限らず、まずはやってみる姿勢を大切にしてほしいです。
就活は人によっては長くて、退屈なものだと感じている人もいると思いますし、
自己分析なんて、どんな方法でやっても同じだろ。とか、自己分析なんて役に立たないよ。とか思っている人もたくさんいると思います。
ただ企業はみなさんに対して、何らかの判断をします。そのときにみなさんがどんな人なのか良い面も悪い面も含めて、理解しないといい判断はできないと思います。
就活の納得感を高めるために、みなさんが企業側に対していろんな判断をすると同時に、自分自身のことは最大限伝えたうえで、企業側にも判断してもらう意識を持って欲しいと思います。